Hilo blog 4/21 心身一如

2011-04-21

東洋医学には「心身一如」という言葉があります。
心と身体はひとつであり、それぞれが独立して存在しているのではなく一つの存在であるという考え方です。
今では珍しい考えではありませんし、病院においてもこういった考え方は認められてきました。

ただ、東洋医学が大きく違うのは「病名診断」をしないという事です。もちろん病院の検査結果は重視しますが、実際の鍼灸臨床においては参考にする程度になります。
それは検査結果や病名を軽視しているのではありません。
「この病気にはこのツボ」
と簡単に出来ないのが実際だからです。

よく雑誌で東洋医学の特集が組まれています。
非常に嬉しく思いますし、自分が学生時代に使っていた教科書よりもずっと分かりやすく東洋医学の概念をまとめてくださってます。
ただ、「症状別のツボ」といった特集はあまりあてにならない事が多いです。

決して間違った事は書かれてはいないのですが、非常にシンプル過ぎてインスタントにまとめられているからです。
あんまり難しく書いても読者が嫌気がさすので、仕方ないのだろうなぁと編集者に対して同情も感じるのですが・・・
例えば同じ腹痛でもその方の体質や症状によっても刺激するツボは違いますし、もっと細かく言えば刺激する順番や方向、押すのか?灸で熱を加えるのか?でも効果が違ってきます。

実際の治療では、その辺も色々考えながら治療を進めていきます。
ですので、「雑誌で試したけど全然効かないじゃない。」「東洋医学なんて嘘っぱちだ。」なんて思わないで下さいね。

慢性や長期間抱えていた症状の患者様には家で是非やって頂きたいツボをお教えしていますので、是非活用してみて下さい。
あんまり沢山のツボだと患者様のやる気がなくなってしまうので、2つくらいに絞りますのでご安心を。

心と身体は一つです。
身体の訴えている場所に適切な刺激を加えれば、心も変わってきます。
この不思議には自分がいつもビックリしています。

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